スペースによって

車に乗り込んだら、蚊がいた。
一緒に乗り込んだらしい。
結構でかい蚊。ものすごく怖かった。
普段ならヒャッヒャッと追いやって終了、なんだけど、
狭い密室に二人きり閉じ込められるこのかゆさ。
見つけてすぐにパチンとやってみるも、手には残っていない。
はてどこへ。
心当たりのある箇所を探しても、亡き骸らしきものはない。
もしかしてまだどこかで生きてるんじゃないか?
と思って見回しても、浮遊しているものはない。
結局諦めて発進したけれども、やっぱり気になって
赤信号のたびに体をこすったり見回したりしてみる。
そして、怖くて怖くて1.2キロの通勤距離を時速70kmで飛ばして帰る。
そう、歩いていないですこの距離さえも。空気汚してすみません。
とうとう、蚊は現れなかった。最初からいなかったことにしよう。
そういう結論で納得。短い乗車時間で落ち着きなく過ごしたので
多分刺されていない。でもなぜかあちこちかゆい。
普段怖くない蚊もスペースによってものすごい猛獣に見えてくるんだなぁ。